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第3回ゲスト 千葉大学 大学院 工学研究科 島倉教授

2009/07/31
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【経歴】
・1968年 金沢大学工学部電気工学科卒業
・1970年 金沢大学大学院工学研究科工学修士修了
・1972年 日本学術振興会奨励研究員
・1974年 千葉大学工業短期大学部電気工学科助手
・1976年 千葉大学工業短期大学部電気工学科講師
・1988年 名古屋大学大学院工学研究科工学博士修了
・1988年 千葉大学工学部助教授
・1994年 千葉大学工学部教授
 

 

 
 
 
5年ほど前、千葉県幕張新都心活性化プロジェクトの企画コンペの審査員を仰せつかりました。そのとき同じ審査員として島倉先生(当時千葉大学大学院自然科学研究科長)にお会いして以来、いつもお世話になっております。
 
 
 
◆専門分野のお話

 
平山
先生は「雷」の研究をされていらっしゃいますが、私は、あの音がとても苦手です。もっと違う音ですといいのですが。
 
島倉
近くの雷の音は確かにそうですが、たとえば東南アジアなどの雷の音を日本で聞いていると、「チュンチュンチュン」と小鳥がさえずるようなかわいらしい音や、「ピュー」と笛を吹いたような音として聞こえます。これは遠くの雷の音を直接聞いているのではなく、雷から出ている電波を音として聞いているのです。雷からは、いろいろな周波数の電波が一挙に出ます。同じ速さでやってくると思いがちですが、電離層と大地に囲まれた空気中やプラズマ中を伝搬する電波の速度は周波数によって変わります。
 
平山
物理の苦手な私としては、もはや付いていけていませんが・・・
 
島倉
つまり、電離層と大地で反射しながら、双方に囲まれた空気中を伝搬してくると、周波数の低いものはゆっくり来て、周波数の高いものは、速くやってきます。その結果、小鳥のさえずりのような音として聞こえます。また、さらに上空のプラズマの中へ入ってしまった電波は、ほぼ地球の磁力線に沿って反対半球まで伝搬し、「ピュー」と笛を吹いたような音になります。この音色の違いで、地球をとりまくプラズマがどういう状態になっているかを知ることができます。
 
平山
目に見えないものを数値化していくわけですね。これ以上聞いていると、頭が爆発しそうなので次の話題に移ります。(苦笑)
 
 
 
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◆学生の就職活動について

平山
先生は、就職担当教官をされていらっしゃいましたが、最近の学生の就職に対する考え方などをお聞かせください。
 
島倉
10年ほど前にも就職担当教官をやっておりますが、10年前と今では状況がガラッと変わりました。
 
平山
どういうところが変わったのですか?
 
島倉
まず、大学院の学生がだいぶ増えました。10年前は、マスターの人数は学部定員の約2割程度でした。しかし、現在は、学部生の7割が大学院へ進学しています。この現象は、千葉大だけではなく、日本の大学全体で起こっています。ですから、10年前は学部を卒業して就職するというパターンが圧倒的に多かったのですが、現在はマスターを出て就職するというパターンが当たり前になってきています。この状況で、困ったことが発生しています。
 
平山
どんな困ったことがあるのでしょうか?
 
島倉
就職活動をするマスターの学生の7~8割が、就職したら研究開発をしたいといってきます。ですが、企業の中で研究開発する部署はそう多くはないのですから、現実とのギャップが生じてきます。みんながみんな研究開発をしていたら、「いったい誰がものを作るのか」というところを学生が忘れてしまっているのです。これはたいへん危険なことだと思います。
 
平山
そのような考え方に対してなにか改善する方法はあるのですか?
 
島倉
研究開発といった最終的なプロセスだけを教えていくのではなく、もっともっとベーシックな部分も含めて教えていかないと学生の考えが発展しないのではないかと思います。技術の基礎となる部分をもっと研究させ、歴史も含めたものの探求が必要となります。考えの基礎となる部分を割愛して目の前にあるテクニックだけを教えるのではなく、ものの本質を見てもらいたいと考えています。ですから、マスターでは自分の研究テーマに対して、貪欲に物事の本質を探究して発展させるような指導をしています。
 
 
 
 
◆就職で悩んでいる学生へのアドバイス

平山
どの会社にしようかと決めかねている学生に対して、先生が行うアドバイスはどのようなものですか?
 
島倉
2つのアドバイスをしています。1つは、どの会社へ行きたいのかではなく、何をやりたいのかで判断するようにアドバイスをしています。
 
平山
具体的にいいますと?
 
島倉
今まさにそんな時代ですが、企業にも浮き沈みがあります。そのような中で会社の名前に惚れて就職をすると会社が苦しい時、自分自身が苦しい時に踏ん張りがきかないのです。しかし、自分がやりたいことがあってその仕事を求めて会社を選んでいたら、会社が苦しい時、自分自身が苦しい時に、歯を食いしばって頑張ることができます。安定志向の世の中ですが、大企業だからといって安心かというと最近ではそうではなくなりましたから、いろいろな選択肢をもってもらいたいです。
 
平山
今年などは、まさにそんな年ですね。
 
島倉
2つ目は、みんなと同じ会社に行くのではなく、いろいろな会社へ行きなさいとアドバイスをしています。大きな会社の1つの歯車になってしまうより、いろいろなことを経験してその経験を活かして、自分の能力を発揮できる会社を見つけるように話しています。千葉大生は、その場で活躍できる素養を十分に持っています。ぜひ、そのチャンスを広げていってほしいと思います。
 
平山
ベンチャー企業への就職などはいかがですか?
 
島倉
ベンチャー企業では、特にいろいろな面白いことができると思います。スピードと躍動感がありますね。千葉大学でも、全学を対象にした起業論や自然科学系大学院の学生を対象にしたベンチャービジネス論などを行うなど、知る機会を提供しています。
 
 
 
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◆好きなことばについて

平山
先生の好きなことばを教えてください。
 
島倉
「チャレンジ」ということばが好きですね。「パッション」ということばも好きです。
 
平山
先生は、研究室にこもって研究に没頭するタイプかと思っていましたので、ラテン系の血が騒ぐ「パッション」という言葉は少々意外ですね。
 
島倉
私は、どちらかというと部屋にこもってじっとしているより、体を動かして何かをするということのほうが好きです。
 
平山
そうですか、ではこれからもいろいろなことに挑戦してますますご活躍ください。
また、本日はお忙しいなか本当にありがとうございました!
 





 


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